「第19回クイチャーフェスティバル」あいさつ

 本フェスティバル大会長としてのあいさつの前に、新型コロナウィルスに感染したことにより、尊い命を奪われた皆様に、心より哀悼の意を表します。また、新型コロナウィルス感染症対策の最前線に立っておられる医療従事者をはじめとする関係者の皆様に心より感謝を申し上げます。

 さて、全国的なコロナ禍の中、各地におけるイベントが軒並み中止せざるを得ない状況が続く今日、これまで続いてきたクイチャーフェスティバルの歩みを止めること無く、こんな今だからこそ出来る新たな取り組みで、「第19回クイチャーフェスティバル」を開催いたします。

 本フェスティバルはこれまで、「大切な物は身近なところにある」、「温故知新の精神」をコンセプトに、伝統と創作クイチャーの世界を心行くまで堪能できるイベントとして開催されてきました。
「クイチャー・ブドウイ」のクイは「声」、チャーは「合わす」、ブドウイは「踊り」の意と解されています。性別、年齢等に関係なく、誰でも踊れる、宮古地域を代表する民族芸能であり、集団舞踊です。豊作や豊漁の祈願、雨乞い、あるいは男女の娯楽として、クイチャーは常に人々の生活の中に有り、踊り継がれてきました。また、地域に根ざした伝統的な宮古のクイチャーは、2002年には国選定無形民俗文化財にも指定されております。

 今回は、テレビやインターネット等を活用し、過去18回の「クイチャーフェスティバル」を振り返るアーカイブの配信、また、地元と島外のゲストを繋ぎ、クイチャーの歴史から今現在のクイチャーの在り方等をテーマにディスカッションを行い、その模様を配信いたします。

 過去に出演された多くの方々が創り出した、多彩なクイチャーの迫力や熱気を、画面を通して感じて頂ければと思います。そして、伝統あるクイチャーを、皆様と共に新たなステージへと導いていきましょう。

 結びになりますが、新たな形での開催となりました「第19回クイチャーフェスティバル」を機に、過去を見つめ直し、そして、クイチャーを含む宮古島の民俗芸能の保存・継承・発展に努めるべく、今後とも各協賛企業、関係機関の皆様のご支援、ご協力を心よりお願い申し上げます。そして本フェスティバルにゲスト出演して頂きました皆様並びに運営スタッフに、心から感謝申し上げますとともに、皆様のご健勝とご多幸を祈念し、挨拶と致します。

令和2年11月3日
大会長 下地 敏彦